社会的養護って?
社会的養護の子どもたち
社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。社会的養護は「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われています。
社会的養護の子ども・若者の現状
現在、実親と暮らせない子どもたちが約42,000人います。その多くは児童養護施設や里親のもとで暮らしています。
児童養護施設で暮らしている子どもの約6割が虐待を経験しています。
子どもの多くは18歳で施設や里親のもとを出て一人暮らしとなります。
宮城県では、児童養護施設を退所後3年ほどで、約4割が連絡先不明となっています。
虐待を受けた子どもたちは心身に不調を抱え、日常生活や就労が困難となることも少なくありません。
国でもこのような子どもや若者を社会全体で応援していく施策を行っていますが、まだまだ支援が不足しているというのが現状です。
児童養護施設等に入所していた子ども・若者がかかえる問題
学歴・学力高校中退の場合、中卒の学歴では就職が難しい。虐待等で小中学校へ通えず基礎学力がない。
進学はあきらめる実親は学費を出してくれない。奨学金は貸付であることもあり、施設職員や里親は、子どもに借金を背負わせることに迷いが生じる。
保証人の問題実親が保証人を拒む。部屋を借りられない。住所が定まらないと就職できない。就職の際も保証人を求められる。
仕事と住居寮付きの仕事、作業所とグループホームなど、住居と仕事がセットになっている場合、就職のときは良いが、離職すると住居も失ってしまう。
親との関係(親権)18才までにためたお金を親に取られる。働き始めると親が来て金をせびる。自立できないと過去に自分を虐待した実親のところへ戻されてしまう。
遅刻・欠勤・夜遊び施設では規則正しい生活をしているが、ひとり暮らしになるとルーズになってしまう。
日常生活掃除・ゴミ出し・料理・郵便物の処理・様々な手続き・金銭管理など、日常生活がうまくいかない。
仕 事コツコツ働くより手軽にお金が手に入る仕事に魅力を感じてしまう。
友人関係友人とのつきあいでお金がかかり、家族のある友人との格差を感じる。
困った時に相談する先実家は頼れない。施設の先生にはいいことしか報告できない。里親との関係もさまざま。里親の家の環境と実親の家の環境が違い過ぎるので戸惑う。
ある里子の言葉「親として一生付き合えないなら里『親』なんて言うな!」
社会的養護というにはほど遠い現実。
生まれた家庭の状況で子どもたちの人生が違っていいのでしょうか?
「この家に生まれた不幸」で済ましてよいのでしょうか?
誰かに巡り合うことで人生が変わるとしたら?
社会的養護の元にある子どもたちは「かわいそう」なのではありません。
子どもたちの中にある力を生かせるような支援や、
子どもたちが自分の力を発揮できる社会の実現が必要です。
まずはこの子たちに関心を持ってください。
現実を知ってください。
大人としてできることをご一緒に考えてください。
社会的養護の子ども・若者にもっと支援を!
就労、住居、資金提供、物品提供等応援してくださる企業を募集しています。